断熱材と遮熱材の違い
断熱材と遮熱材の違いとは?
断熱材の特徴
断熱材は空気を多く含んだ素材で、この空気の層が多ければ多いほど熱の伝わりが遅くなります。つまり、熱を断つこと目的としている断熱材は、空気の層の厚みが重要になってきます。この厚さが増すごとに断熱材としての性能がアップします。
ポイント:断熱材は厚さが重要!厚いと性能がアップ!
ただし、断熱材にも苦手な”熱”があります。
例えば.....羽毛布団やダウンジャケットは空気層を多く含んだ断熱材と同じ構造と働きにより私たちを暖かく包んでくれます。
では布団を天日干しするとどうなりますか?太陽の熱を吸って高温になりますよね?
このように断熱材は太陽の熱を吸収してしまうため、夏場などは屋根裏や壁の中の断熱材が太陽の熱を溜め込み、家の中に放熱することで、室内が高温になってしまうことがあります。
遮熱材の特徴
遮熱材は金属膜のアルミ箔をシート状に加工したもので、熱(輻射熱)を反射する働きにより熱の伝わりを抑えます。熱の反射に優れたアルミ箔を使用し、アルミの純度が高いほど反射性能が高まります。断熱材とは違い、熱をアルミ箔の表面で反射するので厚みは必要ありません、薄いものでは0.2㎜の厚みしかないものもあります。
ポイント:遮熱材はアルミの純度が重要!純度が高いと反射の性能がアップ!
ただし、こちらも断熱材と同様に、遮熱材にも苦手な”熱”があります。
例えば.....遮熱材は太陽の熱を大きく反射し、建物への熱の侵入を抑えるため、断熱材のように熱を溜めることはありません。
しかし、遮熱材を温風に当てたり直接高温の鍋ややかんに触れると、即座に熱くなります。反対に、断熱材は熱くなりません。
熱の伝わり方は3種類
熱の伝わり方には、以下の3つがあります。
湯たんぽ型の「伝導熱」
エアコン型の「対流熱」
電気ストーブ型の「輻射熱」
そして、建物内でのこれらの熱の伝わり方は種類によって割合が異なります。具体的には以下のようになります。
湯たんぽ型の「伝導熱」・・・5%
エアコン型の「対流熱」・・・20%
電気ストーブ型の「輻射熱」・・・75%
これら3種類の熱を目的に応じて適切に止めることが、温度や体温管理には必須です。
例えば、太陽から地球に届く熱は全て可視光線や遠赤外線の「輻射熱」です。住宅や工場の中を暑くするのは、太陽から放射された「輻射熱」が、住宅や工場の屋根の温度を上昇させ、熱せられた瓦や折板屋根、スレート屋根はまるで大型ヒーターのように室内に向け熱を放射するためです。
この「輻射熱」が、空気の温度ではなく「人体の温度」を上昇させるため、室内を暑く感じます。人体の温度を左右するのは室温だけではありません。実はその50%は「輻射熱」によるものと言われており、「輻射熱」は人体の温度を左右する大きな要因となっています。
熱全体の75%を締める「輻射熱」をカットすることが、住宅や工場の暑さを解消するには必要です。「輻射熱」を抑えることで体感温度が大きく変わります。
夏の暑さはほぼ全てが太陽の熱が原因です。そして、その熱は「輻射熱」です。
「輻射熱」とは風が吹いていても暖かさが伝わる熱のことで、空気に影響されないのが特徴です。太陽の熱以外にも、焚き火の熱や、床暖房の熱や、薪ストーブの熱があります。
先にも述べた通り、夏の暑さは太陽の「輻射熱」が地球に当たり大地をはじめとして、住宅の屋根や外壁を温め、それらの熱が気温を上昇させることによって作られます。
これら温められた空気を冷やすためにエアコンを利用することもありますが、太陽の熱である「輻射熱」を防ぐことができる遮熱材を利用し熱自体の侵入を防ぐことがエアコンをハイパワーで稼働させる必要もなく効率的です。
最近は高断熱の住宅が増えていますが、それらは断熱材を利用しています。断熱材は「伝導熱」や「対流熱」を防ぐには効果的ですが、住宅の温度上昇の最も大きな原因の「輻射熱」には効果が薄いです。
「輻射熱」を止める効果の高い遮熱材を使用することが、夏の暑さ対策の根本的な解決方法なのです。
先に記載した夏とは逆に、冬は温められた室内の熱が屋外へ移動します。室内から屋外へ移動する熱はほぼ「輻射熱」ですので、
冬の時期は「輻射熱」を屋外に逃がさないようにすることで、効率よく室内を保温することが可能です。
断熱材と遮熱材は、どの熱を止めるのか?
断熱材は「伝導熱」と「対流熱」を止めることができます。
遮熱材は「輻射熱」を止めることができます。
つまり、断熱材だけでは熱全体の25%しか止めることができず、遮熱材では熱全体の75%を止めることができます。
ここで「輻射熱」に対する断熱材と遮熱材の比較試験をご覧ください。こちらは、熱源となる電気ストーブ(「輻射熱」を発生します。)から同じ距離に、断熱材と遮熱材を設置し、一定時間経過した後の温度上昇をサーモグラフィで撮影したものです。こちらの写真からも、電気ストーブのような「輻射熱」を効率良く防ぐのは遮熱材ということがわかります。
ご自宅や工場などの人が過ごす場所の熱の管理は非常に大切です。断熱材だけでなく、遮熱材も合わせて使用することで、快適な空間を作ることが可能です。住宅に遮熱材の利用をご検討中の方はこちらのページもご覧ください。
遮熱材の効果的な使用方法
遮熱材は正しく使うと非常に効果があり間違って使うと効果がほとんど出ないことがあります。
正しい使い方とは、「伝導熱」の影響を受け無くすることです。
遮熱材は薄いアルミ箔からできています。このアルミ箔は熱に触れると。その熱の影響を受け瞬時に熱くなります。このように遮熱材は直接熱が触れた場合においての熱の伝わりが、非常に高い素材になります。
・効果的な使用方法:その1「反射」
電気ストーブに遮熱材を近づけても、遮熱材は熱を反射するので熱くなりません。これが反射を利用した効果的な使用方法です。
ポイントは熱源側に”空気の層”を設けることです。熱源に直接触れてしまうと伝導熱の影響で瞬時に熱くなりますが、”空気の層”がある状態なら反射効果により熱の移動を抑えます。
・効果的な使用方法:その2「放射」
防災グッズの「アルミブランケット」は寒い屋外でも身体を暖かく包んでくれます。非常に薄いシートであるにもかかわらず
暖かくなる理由は体温の放熱を抑える働きによるものです。
アルミ箔は「輻射熱」の放射が少ない素材なので、熱してもその熱を閉じ込める働きがあります。
この特性を利用して、熱源に「遮熱材」を直接取り付け、その外側に空気層を設け伝導による熱移動を発生しないようにします。遮熱材は熱くなりますが「輻射熱」の放出を抑える効果で、熱の移動を抑えます。
ポイント:住宅やオフィスでは「輻射熱」を効率よく管理することが、快適な空間作りに繋がります。
断熱材だけでは防げない「輻射熱」を97%カットする遮熱材「サーモバリア 」
断熱材と遮熱材それぞれで、止めるのが得意な熱が違うことを上述しました。
・湯たんぽなどの「伝導熱」やエアコンなどの「対流熱」は断熱材で止めるべき
・電気ストーブなどの「輻射熱」は遮熱材で止めるべき
弊社では「輻射熱」を止めるための遮熱材として「サーモバリア」という商材を取り扱っています。
遮熱材は様々な使用方法がありそれぞれの用途に合わせて異なるタイプの遮熱材がありますが、サーモバリアは、住宅、工場、機械設備、農業(牛舎、豚舎、養鶏、農業用ハウスなど)、輸送品の梱包、キャンピングカー、電子機器などの多種多様な用途に適した仕様の遮熱材です。
「夏は涼しく、冬は暖かく」を安く、簡単に、実現するのにサーモバリアは非常に重要な役割を果たします。サーモバリアを利用することで、光熱費の削減も大きな効果が期待できます。
サーモバリアの施工事例と価格
- 住宅での使用例
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建坪約35坪の場合
屋根に使用:約6万円(製品のみ)
*取付費用 約3万円
*省エネ効果として年間約3万円(断熱材と併用)施工方法:サーモバリアはカッターやハサミで簡単にカットできます。
取付方法はステープル(建築用ホチキス)をサーモバリアの上から下地材に打ち込む形で取付けできるため、素人でも簡単に施工できます。
住宅への施工マニュアル 住宅の施工事例はこちら
- 工場での使用例
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屋根の上に取付け(スカイ工法):1㎡当たり約5000円~7000円
*室温の低下約5℃屋根の下に取付け(サーモバリアS):1㎡当たり約4000円~5000円
ダブル折板の中間に敷設(サーモバリアW):1㎡当たり約1000円
溶鉱炉の周り(サーモバリアフィット):1機約30万円
工場・店舗向け工法 工場・店舗の施工事例はこちら
1ロールから販売が可能で、ご購入いただいた場合、ご注文日から約3日以内に発送させていただきます。
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