夏の冷え性は、家と外の温度差が原因?夏に冷え性が起こる原因、家の冷え性対策を紹介
冷房の設定温度を下げると涼しく過ごせますが、室内が冷えすぎてしまうと、自律神経の乱れから冷え性を招く恐れがあるので注意が必要です。
冷え性とは、手足の冷え・ゾクゾクするような寒気を感じる症状のこと。冷え性のなかでも「手足の冷え」は、よく見られる症状のひとつ。冷え性を発症すると、体にさまざまな不調が現れるので、手足の冷えを感じたら早急に対策を行いましょう。
冷え性の予防は、冷えを感じる原因を踏まえた上で、適切な対策を取ることが大切です。本記事では、夏に冷え性が起こる理由を紹介した上で、具体的な対策を紹介します。日々の生活に取り入れやすい方法から、業者に依頼できる対策まで紹介しましたので、快適な夏を過ごすために役立てて頂けると嬉しいです。
目次
夏の冷え性を招く3つの原因
夏の暑い時期であっても、室内の環境によっては、冷え性を発症する恐れがあるので注意しましょう。ここでは、夏の冷え性が起こる3つの理由について紹介します。
- 室内外の温度差によって、自律神経が乱れてしまう
- 冷たい空気は下に下がる性質があるため
- 家の断熱性能が弱く、冷房が効きづらい
室内外の温度差によって、自律神経が乱れてしまう
画像引用:冷え性と女性ホルモン・自律神経の関係 冷えない身体をつくろう(racine)
冷え性とは、体の血行不良によって起きる症状の一つです。さまざまな原因から自律神経のバランスが崩れると、血行不良を招き、冷え性を発症します。
冷え性は自律神経の乱れによって起こるので、夏の暑い時期にも注意が必要です。たとえば、クーラーで室温を下げた場合、室内外の温度差によって、自律神経の機能が乱れます。自律神経が乱れると体温調節機能が働かなくなり、夏でも冷え性になるのです。夏の冷え性を防ぐためにも、クーラーの温度を低く設定しすぎないことが大切です。
この他にも、ストレスや不規則な生活が続くと、自律神経が乱れやすくなるので注意しましょう。
冷たい空気は下に下がる性質があるため
吹き抜け・リビング階段のある部屋、または天井が高い部屋の場合、冷房をつけると冷気が床にこもり、底冷えを感じてしまいます。その理由は、空気には温度が低い者ほど、下に降りる性質があるからです。
冷たい空気は密度が大きく、暖かい空気よりも重さがあることから、冷気が床にこもります。冷気が床にこもると、足元が冷えやすく、底冷えの原因に……。底冷えを防ぐためには、空気を循環させることが大切です。
関連記事:フローリングからの寒さ対策とは?個人でできるものからリフォームまで
家の断熱性能が弱く、冷房が効きづらい
日本の住宅業界において断熱材が施工されるにようになったのは、1980年に「省エネ法」が制定されてからと言われています。省エネ法とは、資源エネルギー庁が設定した「エネルギーの使用の合理化など」に関する法律のことです。
省エネ法の制定により、住宅を断熱して無駄なエネルギーを無くそうという流れが生まれ、断熱材の普及が進みました。省エネ法が制定されていなかった頃の家の場合(※築年数50年以上の物件)、断熱材が入っていないケースが多いようです。
築年数が低い家の場合、断熱性能が低いため、冷房をつけても室内が思うように冷えません。冷房の効きが悪いからとは言え、設定温度を過度に下げてしまうと、その冷風に直接当たっている人の体温(または体の一部の温度)が一気に下がり、寒さを感じてしまいます。室内の気密性を高めることで、冷房が効きやすくなり、適温で室内全体を冷やすことが可能になります。
参考記事:省エネ法 省エネ法とは(経済産業省)
個人でできる家での冷え性対策
家の冷え性対策は、個人でも可能です。ここでは、個人でも簡単に実践できる対策を紹介します。
- 適性温度を設定する
- サーキュレーターを設置する
適性温度を設定する
冷房の温度が低すぎると、室内外の温度差によって自律神経への負担が大きくなり、冷えの症状を招きます。暑い時期はつい冷房の温度を下げてしまいがちですが、くれぐれも下げ過ぎないよう注意しましょう。
環境省では、夏季の冷房を28℃に設定することを推奨しているので、温度設定の目安にするといいでしょう。
環境省では、快適性を損なわない範囲で省エネルギーを目指すために、室温を夏季28℃、冬季20℃とすることを推奨しています。
ただし、同じ室内でも冷房の気流が悪ければ、室内に温度ムラが生じます。断熱性が悪い、または吹き抜けがある部屋だと、冷房を28℃に設定しても思うように冷えない可能性も……。温度の感じ方は、個人の体質によっても変化しやすいものですよね。室温を設定する時は、部屋の環境・個人の体質に合わせて設定することが大切です。
血行不良は外気の温度差によって起こるので、外気温との差が5~7℃程度になるように、冷房の温度を設定するといいでしょう。
サーキュレーターを設置する
部屋中にまんべんなく冷気を送りたい時は、床にこもりがちな冷気を循環させることが大切です。吹き抜けがある、または天井が高い部屋の場合、床に冷気がこもりやすいので、冷房の近くにサーキュレーターを設置すると良いでしょう。サーキュレーターとは、空気の循環を促す家電のことです。
サーキュレーターの設置により、床にたまった冷気が循環し、室内全体が涼しくなります。 サーキュレーターには、床に冷気がこもるのを防ぐ作用も期待できるので、底冷え対策にも効果的です。
業者に依頼が可能な、家での冷え性対策
家の冷え性対策は個人でも可能ですが、業者に依頼することで家全体の対策が可能です。本項目では、業者に依頼が可能な「家の冷え性対策」を紹介します。
- 全館空調システムを導入する
- 窓をペアガラスに変える
- 断熱リフォームを行う
- 壁・床に遮熱シートを施工する
全館空調システムを導入する
自律神経の乱れは、温度差によって起こります。一般的な家では、居室ごとに冷房を設置する個別空調(壁掛けエアコンなど)を使用するケースが多いです。
個別空調の場合、冷房のついた部屋と、廊下・玄関など「冷房がついていない箇所」の間に、温度差が発生します。温度差があると、移動の際に自律神経が乱れ、冷え性を招く可能性が高いです。
そこでおすすめの方法に、全館空調システムの導入が挙げられます。全館空調システムとは、すべての居室、玄関、廊下など、建物全体を冷暖房し、24時間換気を行うシステムのことです。
画像引用:全館空調システムで一年中快適に。エアロテックだからできること(usuko)
全館空調システムの導入により、家全体の温度が一定に保たれるので、自律神経の乱れを抑え、冷え性を防止します。
窓をペアガラスに変える
家の気密性を高めるには、窓を断熱性の高いペアガラスに変える方法が有効です。ペアガラスとは、ガラスが二重構造になっているものであり、「複層ガラス」とも呼ばれます。
ペアガラスは、2枚以上のガラスの間に「中空層」という空間が設けられているので、部屋の気密性を高めたい時に効果的です。
画像引用:ペアガラス(複層ガラス)とは(オーダーガラス板.com)
窓をペアガラスに変更することで、空調効率がアップし、冷房の効きがよくなります。冷房の温度を大きく下げる必要がなくなるので、冷え性の防止に効果的です。
断熱リフォームを行う
冷房の効率が悪いのは、冷気が室内外へ漏れてしまうからこそ。断熱リフォームを行うことで、家の気密性がアップするため、冷暖房の使いすぎを抑えられます。
断熱リフォームとは、家の屋根裏・壁・床などに、断熱材を施工する方法のことです。断熱材とは、熱の伝わりを遅らせる素材です。断熱リフォームには、その他にも外壁・屋根に断熱塗料を行う方法もあります。
断熱塗料とは、熱伝導を抑える効果を持る塗料のことです。建物の外壁・屋根に塗布することで、室内外の熱移動を抑え、夏の暑い時期も快適に過ごせます。部屋の気密性をアップすれば、空調効率もアップするので、光熱費の削減効果も期待できることでしょう。
壁・床に遮熱シートを施工する
家の気密性を高める方法には、断熱材の他に遮熱シートを施工する方法があります。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製アルミシートのこと。輻射熱とは、遠赤外線によって伝わる熱のことであり、主に太陽や電気ストーブから放射される熱が「輻射熱」です。
遮熱シートを壁・床へ施工する「遮熱リフォーム」を行うことで、部屋の気密性がアップするので、冷房の効きがよくなります。空調効率がアップすれば、冷房の温度を大きく下げる必要もなくなるので、冷え対策にも効果的です。
まとめ
夏の冷え性対策は、主に以下のとおりです。
個人
- 適性温度を設定する
- サーキュレーターを設置する
業者
- 全館空調システムを導入する
- 窓をペアガラスに変える
- 断熱リフォームを行う
- 壁・床に遮熱シートを施工する
冷え性対策には、部屋の移動による温度差をなくす、空気の循環を促す、室内の気密性を高めて冷房の効きをよくすることが大切です。冷え性対策は個人でも可能ですが、その家で暮らす家族全員の健康を守るのであれば、業者に依頼するとより効果的です。これらの対策を日々の生活に取り入れて、夏の冷え性を防ぎましょう。
編集部
自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。
当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。
当社製品のサンプル請求、記事に関するお問い合わせなどは、各フォームからお気軽にご相談くださいませ。
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