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倉庫内にある商品の品質劣化を防ぐには?暑くなる前に検討したい、4つの暑さ対策方法

暑さ対策・工場
倉庫内にある商品の品質劣化を防ぐには?暑くなる前に検討したい、4つの暑さ対策方法

倉庫では、商品の品質劣化を防ぐために、室温の管理をすることがあります。たとえば食品や電子機器など、暑さ・寒さに弱いものを取り扱う場合です。温度管理がされていないと、商品の故障・腐敗といったトラブルが起こる可能性が高まります。そのため、倉庫内での温度管理は欠かせません。

ただし温度管理を徹底して行っていたとしても、夏の暑い時期は、太陽の熱などの影響を受け、室温が上昇しやすいです。その他にも、倉庫は建物の構造などの理由から、冷房をつけても思うような効果が得られないこともあるでしょう。

倉庫で保管する商品が熱に弱い場合は、太陽の熱をはじめとした外的要因などの影響を受けにくくする、または空調効率を高める対策を取ることが大切です。今回の記事では、商品の品質管理が必要な理由とともに、倉庫の暑さ対策や、空調効率を高める対策について紹介します。

倉庫内の温度管理が必要な3つの理由

倉庫取り扱う商品によっては、ルールや法律に則った温度管理が必要です。なぜルールや法律を定めてまで倉庫内の温度を管理するのかというと、主に3つの理由があります。

  1. 高温・低温によって品質に影響が出る商品があるため(特に食材など)
  2. 高温・低温によって変形・破損の可能性がある商品があるため(特にプラスチック類・精密機械など)
  3. 品質劣化を防ぐため「JISマーク」を付け、法律にあわせた対応が必要なため

高温・低温によって品質に影響が出る商品があるため(特に食材など)

食品は温度にデリケートなことが多いので、それぞれにあわせて、適切な温度管理が求められます。食品に関する温度管理の基準は、主に5つの温度帯に分けられます。温度帯の種類、それぞれの適正温度・該当する商品は以下のとおりです。

  • 常温(ドライ)……5~30℃(レトルト食品、飲料、缶詰など)
  • 中温……15~18℃(野菜、パンなど)
  • 冷蔵……0~10℃以下(豆腐類、乳製品、総菜など)
  • チルド……0~5℃以下(肉・魚類などの生鮮食品)
  • 冷凍……-15℃以下(冷凍食品)(※アイスクリームの場合、-18℃以下)

食品には、常温でも保管が可能なものから、要冷蔵が必要な食品など、取り扱う商品によって保管条件が異なります。食品のなかでも、中温・チルドの温度帯は保管温度の範囲が狭いので、他の商品より徹底した温度管理が必要です。

高温・低温によって変形・破損の可能性がある商品があるため(特にプラスチック類・精密機械など)

プラスチックや精密機械などは室温が急激に変化すると、変形、破損する可能性があります。とくに微細な部品で造られている精密機械の場合、ちょっとの変形や破損で、動作の不良を引き起こす可能性もありますよね。

万が一そうなってしまった場合は、大きな損失が出ることも考えられます。温度の変化で影響が出やすい製品の場合、倉庫内の温度管理は必須と言えます。

関連記事:精密機器・半導体輸送で留意すべき点(関光汽船株式会社)

品質劣化を防ぐため「JISマーク」を付け、法律にあわせた対応が必要なため

JIS (日本工業規格)規格のマークがついている商品を取り扱っている場合、産業標準化法(JIS法)に基づく国家規格のひとつ「日本産業規格(JIS)」に沿って、品質管理を行う必要があります。

JISとは、製品やサービスの品質などを定めた国家規格のことです。JISは製造事業者やサービス事業者が、品質の良い製品やサービスを生産・提供するため、または消費者が品質の良い製品やサービスを入手・利用するために用いられています。JIS規格が用いられる商品は、主に以下の商品です。

  • 産業製品
  • 精密機械・自動車・医療機器など

品質管理体制がJISの基準を満たしていない場合、JISマーク認証の取り消しが行われるので注意しましょう。

参考記事:JIS規格とは?基礎知識や建設業との関係をわかりやすく解説【2024年最新】(施工の神様)

倉庫内が暑くなる2つの原因

倉庫の天井倉庫は構造上の理由から、夏は室内の温度が上昇しやすいです。その理由は、主に2つあります。

  • 天井が高く、空調効率が悪いため
  • 金属製の折板屋根が、太陽の熱(輻射熱)の影響を受けやすいため

一般的な倉庫は、商品を多く積み込めるようにと、天井が高く作られています。そして空気には、「暖かい空気は上、冷たい空気は下」に移動する性質があります。そのため熱気が上部に溜まってしまい、庫内全体を均一に冷やすのは難しくなります。商品を高く積んでいる場合、上部に積まれた商品ほど、暑さの影響を受けるため注意が必要です。

倉庫内が暑くなるのは、屋根の材質も原因のひとつです。倉庫の屋根は、主に金属製の折板屋根を利用しているケースが多いです。

折板屋根金属は輻射熱の影響を受けやすく、折板屋根の温度は夏場になると70度〜80度に上昇します。輻射熱とは、太陽の光をはじめとした、電磁波によって伝わる熱のことです。

輻射熱の解説をするために、熱の伝わり方について簡単に説明します。熱の伝わり方には、「輻射熱」「伝導熱」「対流熱」の3種類があります。それぞれの熱の説明と、建物内の熱移動の割合については、主に以下の通りです。

熱の種類

  • 伝導熱……湯たんぽ、カイロ型の熱で、直接触れて伝わる熱のこと。(5%)
  • 対流熱……エアコン、温風ヒーター型の熱で、風や空気で伝わる熱のこと。(20%)
  • 輻射熱……遠赤外線によって直接伝わる熱のこと。(75%)

熱移動の割合が最も高い輻射熱は、室温上昇に大きな影響を及ぼします。輻射熱が屋根に当たると、室内に伝わり、室温を上昇させます。倉庫内の室温上昇を防ぐためにも、輻射熱対策は欠かせないと言えるでしょう。

倉庫の暑さ対策に有効な「4つの方法」

ここでは、倉庫の暑さ対策につながる、4つの方法をご紹介します。

  1. シーリングファンを設置
  2. 間仕切りシートを設置
  3. テント倉庫を設置
  4. 遮熱シートを屋根に設置

1. シーリングファンを設置

食品を取り扱う倉庫の場合、商品が腐らないようにと、窓が少ない構造の建物が多いです。窓が少なく、密閉された空間の場合、空気の循環が悪くなってしまいがちです。このような場合は、空気の循環を促す対策が欠かせません。

空気の循環を促すには、天井にシーリングファンを設置する方法もひとつの手です。シーリングファンとは、天井に設置する巨大扇風機のこと。シーリングファンを設置することで、室内の空気を循環させ、熱がこもるのを防ぎます。

2. 間仕切りシートを設置

倉庫に多くの荷物を積んでいる場合、空間全体の温度を一定かつ均一に保たないと、商品の品質にバラつきが起こる可能性があります。商品の品質を維持するためにも、空間全体を適温に保つことが大切です。

ただし倉庫のような広い空間では、冷房をつけても全体が思うように冷えません。室内全体の空調効率を高めようとすると、大変なコストもかかります。そのため、作業スペース、温度管理が必要な商品を保管する区域別に、間仕切りシートを設置する方法がおすすめです。間仕切りシートとは、空間を自由に区切れるビニールシートのことで、コストや設置にかかる時間の観点からも、非常にお手軽でおすすめな方法です。

間仕切りシートで倉庫内を区切ることで、空調効率がアップするので、空間全体の温度を一定に保ちやすいです。さらに、冷暖房コストを抑えられるといった嬉しいメリットもあります。間仕切りシートには、簡易的な間仕切りシートから大型間仕切りシートまで種類もさまざまです。工場の広さや、目的に合わせて適したものを選びましょう。

3. テント倉庫を設置

画像引用:テント倉庫とはどのような倉庫? 特徴、メリット・デメリットを解説(株式会社シノダック)

倉庫の暑さ対策には、テント倉庫を導入する方法があります。テント倉庫とは、金属の骨組みを組んで、その上からシート膜状の生地を被せた倉庫のことです。骨組みを組んだ上にシートを被せるのみでできるシンプルな工法のため、他の倉庫よりも短い期間で施工できるメリットがあります。

テント倉庫に使われる膜屋根の素材は、日射を反射する効果が75%以上と高いのが特徴です。日射の影響を受けにくくなるので、夏の暑い時期でも倉庫内の温度を一定に保ちます。

4. 遮熱シートを屋根に設置

倉庫の暑さ対策には、屋根に遮熱シートを施工する方法があります。遮熱シートとは、太陽の熱から発せられる輻射熱を反射するシートのことです。遮熱シートを屋根へ施工することで、輻射熱による温度上昇を抑え、室内の温度上昇を防ぎます。さらに冬は、室内の熱を内側に反射させる作用により、暖房効率もアップします。

スカイ工法の貼り方

遮熱シートは、シートを直接屋根に貼り付ける「スカイ工法」での施工がおすすめです。スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを取り付ける工法のことです。スカイ工法なら、作業者の技量の優劣、作業時の天候に関係なく均一な遮熱効果を発揮します。そしてスカイ工法には、折板屋根特有の雨漏れを防ぐ効果もあります。倉庫の暑さ対策を考えている方は、ぜひ一度、ご検討ください。

まとめ

倉庫の暑さ対策には、主に以下の4つの方法があります。

  1. シーリングファンを設置
  2. 間仕切りシートを設置
  3. テント倉庫を設置
  4. 遮熱シートを屋根に設置

倉庫の温度管理には、空気を循環させる対策も欠かせませんが、建物全体の対策として十分でない可能性もあります。その場合はテント倉庫や、屋根全体に遮熱シートを覆う対策を選ぶと良いでしょう。

遮熱シートの効果は、アルミの純度が高いほど効果がアップします。より高い遮熱対策なら、アルミ純度99%以上のアルミ箔を使用しているサーモバリアの利用がおすすめです。倉庫の温度管理を適切に行い、商品の品質維持に努めましょう。

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ライフテック
編集部

自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。

当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。

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