アルミシートで寒さ対策をする方法とは?アルミシートが寒さ対策に役立つ理由、対策について紹介
金属製のアルミシートには、熱を室内側に反射させる作用があるので、冬の寒さ対策に生かすことができます。アルミシートで寒さ対策を行う場合には、シートの素材となるアルミ(アルミ箔・アルミ蒸着フィルムなど)の特徴を活かした上で、適切な対策を行うことが大切です。
本記事では、アルミシートの特徴・寒さに効果がある理由を踏まえた上で、具体的な寒さ対策について紹介します。
アルミシートが、寒さ対策に効果がある理由
アルミシートは、なぜ寒さ対策に効果があるのでしょうか?まずはアルミシートの特徴を踏まえた上で、冬の寒さに役立つ理由について詳しく解説します。
- アルミシートとは?
- アルミシートには「断熱アルミシート」と「遮熱アルミシート」の2種類がある
- アルミシートが、冬の寒さ対策に役立つ理由
アルミシートとは?
アルミシートとは、金属膜のアルミ箔やアルミ蒸着フィルムなどをシート状に加工した素材のことです。アルミシートの素材として使用されることの多いアルミ箔やアルミ蒸着フィルムの違いについては、それぞれ以下のとおりとなります。
- アルミ箔……純度の高いアルミニウムを、薄く延ばして製造したもの
- アルミ蒸着フィルム……アルミを一度蒸発させて、その蒸気をフィルムの表面に付着させて製造したもの
アルミ箔とアルミ蒸着フィルムは、いずれもアルミ素材を使用して作られていますが、製造工程に違いがあります。アルミ蒸着とアルミ箔の違いについては、「アルミ蒸着とアルミ箔の違いは何ですか?」で詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
またアルミ蒸着シートは、アルミ箔よりアルミを使用しない分、省資源・省コストといったメリットがあります。その一方で、アルミ蒸着シートには粒子と粒子の間に隙間があるため、アルミ箔より熱を反射する効果が弱くなるといったデメリットもあるのです。寒さ対策で利用したい場合は、できればアルミ箔をシート状に加工したものを選ぶことをおすすめします。
参考記事:アルミ蒸着フィルム(horitomi)
アルミシートには「断熱アルミシート」と「遮熱アルミシート」の2種類がある
アルミシートには「断熱アルミシート」と「遮熱アルミシート」の2種類があります。そして2種類のアルミシートは用途が異なります。
- 断熱アルミシート…熱の伝達を遅くするアルミ箔のシート
- 遮熱アルミシート…熱(輻射熱)を反射するアルミ箔のシート
そして合わせて知っていただきたいのが、熱には3種類あるということです。
- 伝導熱…直接触れて伝わる熱のこと(例. 湯たんぽ、カイロなど)
- 対流熱…風や空気で伝わる熱のこと(例. エアコン、温風ヒーター、ドライヤーなど)
- 輻射熱…赤外線で伝わる熱のこと(例. 電気ストーブ、床暖房、太陽など)
この3種類の熱に対して、2種類のアルミシートを正しく利用しなければ、熱を効果的に防ぐことはできません。たとえば、伝導熱や対流熱は断熱アルミシートで防ぐ(熱の伝達を遅くする)のが効果的です。逆に、伝導熱や対流熱を遮熱アルミシートで防ぐことはできません。また輻射熱は遮熱アルミシートで止めることができますが、断熱アルミシートで防ごうとしても熱の伝達は止まりません。
つまり、熱の原因(3種類)を明らかにし、正しいアルミシート(2種類)を選ばなければ、正しい熱対策は行えないのです。一概に「アルミシート」といっても複数種類あれば、対象の熱の種類によっても使用すべきものが異なるので、目的に応じて使い分けましょう。
アルミシートが、冬の寒さ対策に役立つ理由
アルミシートに使われるアルミ箔やアルミ蒸着フィルムには、熱を反射する作用があります。反射とは、放射された熱が再び空中に戻ってくることです。アルミシートを建物の屋根裏・内壁・床下などに施工することで、室内の熱が外に逃げるのを抑えて室温低下を防止します。さらにアルミシートの保温効果により、暖房の効きも良くなるので、冬の寒さ対策として使われることが多いです。
熱の反射率はアルミの純度によって異なり、純度が高ければ高いほど反射性能が上がります。寒さ対策でアルミシートを使用する際には、アルミ純度が高いものを選びましょう。
参考記事:アルミ箔の反射と放射(サーモバリア)
寒さ対策にアルミシートを使用する際のオススメ方法(個人)
アルミシートは、窓、壁などに設置することで、外気の影響を受けにくくなり、室温低下を防ぎます。ここでは個人でも対策が可能な、寒さ対策におすすすめのアルミシートの使い方について詳しく紹介していきます。
- 窓に断熱アルミシートを貼る
- 窓に遮熱シートを貼る
- フローリングに断熱シートを敷く
- 布団の下に「断熱アルミシート」または「遮熱シート」を敷く
窓に断熱アルミシートを貼る
窓ガラスに、断熱アルミシートを設置することで、シートの空気層の働きによって外気の影響を受けにくくなり、室温低下を抑えます。窓ガラスに貼る時は、室内側に貼ることにより、熱が外に逃げるのを防ぐ働きによって、暖房の効きも良くなることでしょう。
ただし窓用の断熱アルミシートは、網入りガラス・複層ガラス・有機ガラスなどの特殊な窓ガラスに貼ると、夏場にはガラスが熱くなり、割れる恐れがあるので注意が必要です。
窓に遮熱シートを貼る
窓に遮熱シートを貼ることで、電気ストーブなどによって暖められた輻射熱を室内側へ反射させ、室温低下を抑えることができます。窓用の遮熱シートには、フィルムタイプ、粘着タイプがあるので、用途や目的にあわせて選びましょう。フィルムタイプ、粘着タイプの貼り方は以下のとおりです。
- フィルムタイプ……窓ガラスに霧吹きなどで水を付けてから、窓に遮熱シートを貼ります。
- 粘着タイプ……シート自体に粘着剤が塗られており、そのまま窓ガラスへ貼り付けることが可能です。
粘着タイプはフィルムタイプより密着力が高く、剥がれにくいメリットがあるものの、剥がした時に粘着剤の跡が残る恐れがあります。賃貸物件にお住まいの場合、または張り直しを何度もしたい場合は、剝がしやすいフィルムタイプがおすすめです。
関連記事:遮熱シートを住宅に施工するのは効果的?得られる効果や施工におすすめの箇所を紹介
フローリングに断熱アルミシートを敷く
フローリングに断熱アルミシートを敷くことで、冬は床下からの冷気を伝わりにくくさせる働きがあるので、寒さ対策にも効果的です。断熱アルミシートの中には、発泡ポリエチレンのような断熱素材が入っており、床に敷くことで床面からの冷気を伝わりにくくします。床に断熱アルミシートを敷く時は、シートが滑らないように両面テープで固定する、またはシートとカーペットの間に滑り止めシートを敷くと安心です。
参考記事:電気代節約の神!「床に敷くだけアルミシート」が冬の寒さ対策に!コレ1枚で「足元の悩み」解決(ヨムーノ)
布団の下に「断熱アルミシート」または「遮熱シート」を敷く
冬は寒さで目が覚めてしまうという方も多いのではないでしょうか?そのような方にオススメの方法が、布団の下に断熱アルミシートや遮熱シートを敷く方法です。
アルミには熱を反射する作用があるので、布団の下に断熱アルミシート、または遮熱シートを敷くことで、自分から放出される体内の熱が床に奪われずに済みます。寒い冬の時期も「快適な寝心地」で過ごせることでしょう。
アルミシートは、アルミ面の部分に熱を反射する作用があるので、シートを布団の下に敷く時は、アルミ面を上にして使用します。アルミシートには床からの冷気を防ぐ効果も期待できるので、床下から伝わる冷気が気になるという場合は、アルミ面を下にして敷いてみるといいでしょう。
寒さ対策にアルミシートを使用する際のオススメ方法(業者)
家全体の寒さ対策をしたい場合は、業者にアルミシートの施工を依頼すると良いでしょう。本項目では、業者に依頼が可能なアルミシートを使った寒さ対策について紹介します。
- 遮熱シートを屋根裏に施工する
- 遮熱シートを壁に施工する
- 遮熱シートを床に施工する
遮熱シートを、屋根裏に施工する
冬は、室内の「輻射熱」が外へ逃げようとするため、寒さ対策にはこの輻射熱を屋外に逃さないようにすることが大切です。そこで、熱を室内側へ反射する作用のある遮熱シートを屋根裏へ施工することで、室内の熱が屋外に逃げずに済み、室温低下を防ぎます。
屋根裏に施工する際は、屋根を支える「垂木(たるき)」の下、または垂木の上にある「野地板(のじいた)」の上に、施工する方法が一般的です。屋根裏に遮熱シートを施工する効果、メリット、施工方法については、「遮熱シートを屋根裏に施工するメリットとは?得られる効果や施工方法を紹介」で紹介していますので、あわせてご覧ください。
遮熱シートを、内壁に施工する
遮熱シートを内壁に施工することで、室内の熱を室内側に反射させ、熱が外に逃げるのを防ぐ働きがあります。遮熱シートを内壁に施工することで、空調効率がアップして暖房の効きも良くなるので、光熱費削減効果も期待できることでしょう。
住宅の内壁に遮熱シートを施工する際には、柱、間柱の内側にシートを取り付ける「内反射工法」で取り付けを行います。遮熱シートを壁に施工する効果については、「遮熱シートを壁に施工する効果やメリットについて。暑さや寒さ対策への効果も紹介」でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
遮熱シートを床に施工する
遮熱シートを床下に施工することで、冬は室内の熱が外に逃げるのを防ぎ、寒さを抑える働きがあります。住宅の床に遮熱シートを施工する工法は、主に以下のとおりです。
ネタ工法で遮熱シートを施工する場合、まず大引きの間に断熱材を取り付けてから遮熱シートを貼り付けていきます。次に、遮熱シートの上にネタ垂木を取り付けます。ネタ垂木とは、床の下地の役割をする材木のことです。ネタ垂木を取り付けることで、断熱性能を持つ「反射空気層」の効果も期待できます。
画像:ネタ工法
ネタレス工法は、遮熱シートの放射性能を利用した工法のことです。手順としては、大引きの間に断熱材を設置してから、遮熱シートを取り付けていきます。
画像:ネタレス工法
取り付けが終わったら、ネタレスの合板を取付けて完成です。
まとめ
アルミシートによる「冬の寒さ対策」は、主に以下の通りです。
(個人)
- 窓に断熱アルミシートを貼る
- 窓に遮熱シートを貼る
- フローリングに断熱シートを敷く
- 布団の下に「断熱アルミシート」または「遮熱シート」を敷く
(業者)
- 遮熱シートを屋根裏に施工する
- 遮熱シートを壁に施工する
- 遮熱シートを床に施工する
熱の伝わりを遅らせる「断熱アルミシート」は、熱を抑えたい時の対策には適していますが、家全体の寒さ対策をしたいのであれば、広範囲で対策が可能な「遮熱シートの施工」を業者に依頼する方法がおすすめです。冬の寒さ対策として、断熱アルミシートや遮熱シートを設置、または施工して、寒い時期も暖かく過ごしてくださいね。
編集部
自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。
当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。
当社製品のサンプル請求、記事に関するお問い合わせなどは、各フォームからお気軽にご相談くださいませ。
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