折板屋根に遮熱塗料を施工する方法を知ろう!遮熱塗料の施工方法と、折板屋根にできるその他の遮熱対策をご紹介
工場、倉庫など大きな建物の屋根には、建物の強度を高めるために「折板屋根」が使用されているケースが多いです。折板屋根とは、金属の板を凹凸に加工した屋根材 のこと。屋根を凹凸にすることで強度(剛力・耐力)がアップし、高い強度で建物を守ることが可能となります。
熱伝導率の高い金属を使用した「折板屋根」では、遮熱塗料が施工されているケースもしばしば。遮熱塗料とは、太陽の熱を反射する遮熱材のこと。遮熱塗料を屋根、外壁に施工することで、日射による輻射熱を反射し、室内の温度上昇を抑えます。輻射熱とは電磁波によって伝わる熱のことで、人体の体感温度を上げる原因のひとつ。夏の暑さ対策には、輻射熱を反射するための「遮熱対策」が欠かせないと言えるでしょう。
本記事では「折板屋根に、遮熱塗料を施工する方法」とともに、遮熱塗料以外の「遮熱対策」についても紹介していきます。
目次
折板屋根に遮熱塗料の施工がおすすめの理由
金属製の「折板屋根」は熱が伝わりやすいことから、日射による輻射熱の影響を受けてしまう恐れあり。輻射熱が屋根にこもると、室内に熱が降りてきて室温上昇する可能性も……。そこで折板屋根に、輻射熱を反射する「遮熱塗料」を施工することで、屋根に熱がこもるのを防ぐ効果が期待できます。まずは、折板屋根に遮熱塗料の施工がおすすめである理由について、具体的に紹介していきましょう!
- 日射による輻射熱の影響を受けにくくなる
- 維持費がかからない
日射による輻射熱の影響を受けにくくなる
金属製の「折板屋根」は熱伝導率が高いことから、日射による輻射熱の影響を受けてしまいがち。輻射熱は人体の体感温度を上げるので、暑さ対策に「遮熱対策」は欠かせません。
凹凸のある折板屋根には、まんべんなく塗ることができる「遮熱塗料」がおすすめ。遮熱塗料を折板屋根に施工することで、日射による輻射熱を反射し、室内の温度が上昇するのを抑えます。
維持費がかからない
冷房の場合、光熱費など毎月の維持費がかかるデメリットも……。
その点、遮熱塗料は一度施工すれば、耐用年数が来るまでは維持費がかからないというメリットがあります。ここで言う「耐用年数」とは、雨風、紫外線から建物や外壁を守ることのできる期間のこと。遮熱塗料は毎月・毎年の維持費こそかからないものの、耐用年数が経過したら、再度「遮熱塗料」の塗り直しをする必要があります。
遮熱塗料の「耐用年数」は、塗料の種類によって異なるので注意しましょう。塗料の種類別「耐用年数」は、主に以下のとおり。
- アクリル系…6年
- ウレタン系…8年~10年
- シリコン系…10年~15年
- フッ素系…15年~20年以上
塗り直しを極力避けたい場合は、耐用年数の長い「シリコン系」「フッ素系」を選ぶといいでしょう。遮熱塗料の特徴については、「遮熱塗料の効果がないってほんと?効果がわかりにくい原因と塗料に代わるおすすめの遮熱材を紹介」でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧くださいませ。
折板屋根に遮熱塗料を施工する手順
折板屋根に遮熱塗料を施工する場合、手順を踏んで丁寧に施工をすることで、より耐久性がアップ!ここでは、折板屋根に遮熱塗料を施工する手順について紹介していきます。
- 屋根の汚れを落とす
- ケレン作業を行う
- 屋根に遮熱塗料を塗装する
屋根の汚れを落とす
画像引用:桑折町 工場の折板屋根塗装工事のケレンと高圧洗浄作業(街の外壁塗装やさん)
屋根に汚れが付着したままだと、塗料が綺麗に塗れなくなる恐れあり。まずは、遮熱塗料が均一に施工できるように、屋根の汚れを落とすところからスタート。屋根の清掃には、高い水圧で効率よく汚れを落とせる「高圧洗浄」を使用するのがおすすめ。
屋根の洗浄をすることで汚れがなくなり、遮熱塗料をまんべんなくキレイに施工することが可能となります。
ケレン作業を行う
画像引用:折板屋根の塗装の完全ガイド!時期・費用・塗料選びと3つの注意点(ユーコーナビ)
屋根を綺麗に洗浄したら、次は屋根の塗装箇所をより綺麗に整えるため「ケレン作業」を行います。ケレンとは、汚れ、サビ、古くなった塗料を削って落とす下地処理のこと。ケレン作業は、主に金属の研削時に使用する手動工具「やすり」などを使用。ケレン作業を行うことで、汚れ、サビなどが落ちてキレイになり、塗料の付着性がアップします。
屋根に遮熱塗料を塗装する
画像引用:工場や倉庫で使われる折板屋根の塗装メンテナンスと知っておきたい面積の求め方(街の外壁塗装やさん)
次に、屋根へ遮熱塗料を塗っていきます。遮熱塗料を塗る手順は、主に以下のとおり。
- 下塗り
- 中塗り
- 上塗り
まず最初に、屋根へ「下塗り」を行います。下塗りとは、塗料を塗る前に「下地」を塗る作業のこと。下塗りを行うことにより、次に塗装する「中塗り」「上塗り」の付着性が向上します。下塗り後、塗料が乾いたらいよいよメインの塗料の塗装を開始します。
塗料を塗る時は、一般的に「中塗り」「上塗り」の2回塗りを行うケースが多め。(※場合によっては、3回塗るケースも)何度も重ね塗りすることで、屋根に塗った塗料の効果・耐久性がアップします。
遮熱塗料以外の対策も!遮熱塗料に代わるおすすめの遮熱対策を紹介
輻射熱対策は、「遮熱塗料」の他にもさまざま。ここでは、遮熱塗料以外の「遮熱対策」について紹介します。
- 屋根にスプリンクラーを設置する
- 屋根に遮熱シートを施工する
屋根にスプリンクラーを設置する
画像引用:屋根散水システム【暑熱対策】(株式会社 イーエス・ウォーターネット)
屋根にスプリンクラーを設置することで、屋根の表面に当たる輻射熱を弱め、屋根温度の上昇を防ぐ効果が期待できます。
屋根の温度が上昇すると、こもった熱が室内に降りてくる恐れも……。室内に屋根の熱が降りてくると、室温上昇の原因になる可能性大。室温上昇を防ぐには、屋根に熱がこもらないための対策が必要不可欠と言えるでしょう。
そこで屋根の熱対策には、屋根にスプリンクラーを設置する方法も。スプリンクラーとは、水に圧をかけることによりノズルから散水していく装置のこと。屋根に水を散布すると、水の蒸発時に屋根表面から熱を奪う「気化熱」が発生。気化熱が屋根の温度を抑えることで、屋根の温度上昇を防ぎます。
屋根に遮熱シートを施工する
屋根に遮熱シートを施工することで、日射による輻射熱を反射し、室温上昇を防ぎます。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製アルミシートのこと。輻射熱は電磁波によって伝わる熱のため、人体の奥まで熱が届き、人体の体感温度を上げる作用あり。
夏の暑さ対策には、人体の体感温度を上げる原因となる「輻射熱」を抑える必要があります。そこで、遮熱シートを屋根に施工することで日射による輻射熱を反射し、暑さ対策に繋げる効果が見込めます。
なお遮熱シートは、アルミ純度が高いものほど効果がアップ。より遮熱効果を高めたい時には、アルミ純度の高い「サーモバリア」などの遮熱シートを施工するのがおすすめです。サーモバリアとは、輻射熱を97%カットする遮熱材のこと。サーモバリアを住宅、工場などの屋根、外壁に使用することで、日射による輻射熱を反射。輻射熱を反射させることにより、建物の温度上昇を抑えます。
折板屋根の遮熱シート施工には「スカイ工法」がおすすめ
折板屋根に遮熱シートを施工する際には、シートを直接貼り付ける「スカイ工法」がおすすめ。スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを取り付ける工法のこと。
シートを屋根に直接貼り付けるため、作業者の技量の優劣、作業時の天候に関係なく均一な遮熱効果を発揮します。
また、「スカイシート」には折板屋根特有の雨漏れを防ぐ効果もあるため、一度の施工で熱対策と雨漏り対策が同時に行える画期的な工法とも言えるでしょう。
関連記事:スカイ工法
まとめ
金属製の「折板屋根」は、熱伝導率が高いことから、夏場は輻射熱の影響を受けやすく、屋根に熱がこもってしまうことも……。輻射熱は人体の「体感温度」を上げる作用があるので、夏の暑さ対策に「輻射熱対策」は欠かせません。
輻射熱対策には、屋根に遮熱効果の高い「遮熱塗料」を施工する方法があります。遮熱塗料を屋根に施工することで、輻射熱を反射し、室温上昇を抑制。遮熱塗料を塗る時は、以下の手順で丁寧に塗ると、耐久性がアップ!
- 屋根の汚れを落とす
- ケレン作業を行う
- 屋根に遮熱塗料を塗装する
ただ、遮熱塗料には「耐用年数」があるため、塗り直しが必要というデメリットも……。塗り直しを行いたくない場合は、他の遮熱対策を行う必要があります。遮熱塗料以外の「遮熱対策」は、主に以下のとおり。
- 屋根にスプリンクラーを設置する
- 屋根に遮熱シートを施工する
凹凸のある折板屋根には、シートを直接貼り付ける「スカイ工法」がおすすめ。スカイ工法で遮熱シートを施工することにより、遮熱、雨漏り対策が同時に行えます。上記で紹介した「遮熱対策」を取り入れて、夏の暑い時期も快適に過ごせる環境を構築していきましょう。
編集部
自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。
当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。
当社製品のサンプル請求、記事に関するお問い合わせなどは、各フォームからお気軽にご相談くださいませ。
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