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家畜農家で遮熱対策が必要な理由とは?具体的な遮熱対策、注意点についても紹介

畜産農家
家畜農家で遮熱対策が必要な理由とは?具体的な遮熱対策、注意点についても紹介

畜舎内の室温が上昇すると、作業員や牛、豚、鶏などの家畜が暑さを感じ、熱中症になるリスクが高くなります。とくに牛、豚、鶏などの家畜は暑さに弱い動物のため、家畜農家は暑さ対策を十分に行う必要があると言えるでしょう。

畜舎内の暑さ対策には、入り口や屋内に遮光ネットを設置する、または屋根に遮熱シートを施工するなどの方法も。遮熱シートとは、日射による輻射熱(※遠赤外線によって伝わる熱)を反射する金属製シートのこと。屋根に遮熱シートを施工することで、家畜や作業員を日射による輻射熱の影響から守ることができます。

本記事では畜舎に遮熱対策が必要な理由を踏まえた上で、具体的な遮熱対策、注意点についても紹介します。

家畜農家に遮熱対策が必要な理由

畜舎内の温度が上昇すると、作業員、家畜が暑さを感じやすくなり、体調不良、熱中症になるリスクが高くなります。とくに畜舎は薄い折半屋根であるケースも多いことから、日射による輻射熱の影響を受けてしまいがち。

輻射熱とは、遠赤外線などの熱線によって伝わる熱のこと。輻射熱は人体、動物の体感温度を上げる要因と言われているので、暑さ対策には「輻射熱対策」が欠かせません。まずは家畜農家に遮熱対策が必要な理由について、詳しく紹介します。

  • 牛、豚、鶏などの「家畜」は暑さに弱いため
  • 建物の構造上、日射による輻射熱の影響を受けやすいため
  • 作業員の体調不良、熱中症リスクを招く恐れがあるため

牛、豚、鶏などの「家畜」は暑さに弱いため

牛、豚、鶏などの家畜動物は暑さに弱い動物が多いことから、畜舎内の暑さ対策が欠かせません。厚生労働省の資料「産業動物臨床医学雑誌」によると、乳牛の場合「適温」は約4~20℃とされています。(※引用:厚生労働省 産業動物臨床医学雑誌

さらに資料によれば、家畜動物が高温な環境に身を置くと、体温上昇に伴い「生殖ホルモンが乱れる」可能性があるとのこと。

※引用画像:厚生労働省 産業動物臨床医学雑誌

たとえば乳牛が暑熱ストレスを感じた場合、乳量が落ちて十分にミルクを絞ることができなくなる恐れも……。食用家畜の場合(牛、豚、鶏)は、暑さによるストレスを感じると食欲が落ち、痩せてしまうこともあるようです。

このように家畜動物達が熱さを感じるようになると、畜産の品質、生産量に悪影響を及ぼしてしまう可能性あり。家畜動物の健康を守るためにも、畜舎内の暑さ対策は欠かせないと言えるでしょう。

建物の構造上、日射による輻射熱の影響を受けやすいため

畜舎の屋根は「折板屋根(せっぱんやね)」であるケースが多く、日射による輻射熱の影響を受けてしまいがち。折板屋根とは、金属の板を折り曲げ加工して作られた凹凸のある屋根のこと。

折板屋根折板屋根は薄い金属製の素材で作られていることから、断熱性能が低い、日射の影響を受けやすいなどのデメリットも。折板屋根の遮熱対策には、屋根に遮熱シートを施工する方法があります。(※詳しい説明については、後述にて詳しく説明あり。)

屋根に遮熱シートを施工することで、日射による輻射熱を反射し、室温上昇を抑えます。

作業員の体調不良、熱中症リスクを招く恐れがあるため

畜舎の遮熱対策を行うことで、室内外への熱移動を抑え、作業員の体調不良、熱中症リスクを防ぐ効果も。上述でも紹介したように、畜舎内は「折板屋根」が多いことから日射の影響を受けやすく、室温が上昇しやすい環境とも言えるでしょう。

とくに輻射熱は電磁波によって伝わる熱のため、「人体の体感温度を上げる」原因とも言われています。遮熱対策を行わないままだと、夏場は直射日光の影響で室温が上昇し、作業員が体調不良、熱中症になってしまう恐れも……。作業員の健康を守るためにも、畜舎の遮熱対策は欠かせません。

さらに寒い冬の時期は、室内の熱が外に逃げるのを防ぐ作用もあるので、作業員の寒さ対策にも効果的です。

家畜農家の遮熱対策3選

日射の影響を受けやすい「畜舎」に遮熱対策を行うことで、家畜、作業員の暑さ対策に役立ちます。本項目では、家畜農家が実践可能な「遮熱対策」について具体的に紹介していきましょう。

  • 畜舎の入り口、屋内に遮光ネットを設置する
  • 畜舎の屋根に散水スプリンクラーを設置する
  • 畜舎の屋根に、遮熱シートを施工する

畜舎の入り口、屋根裏に遮光ネットを設置する

引用画像:簡易牛舎 内張り遮光ネットで夏は涼しく、冬は暖かく(丸二物産 パイプハウス)

畜舎の入り口、屋根裏に遮光ネットを設置することで、日射による輻射熱の影響を和らげる効果も。遮光ネットとは、日差しを遮るために使うネット状の資材のこと。素材は高密度ポリエチレン製のものが多く、軽量なのに丈夫というメリットあり。

畜舎の入り口、または屋根裏など「日の当たりやすい箇所」に遮光ネットを設置することで、日射による輻射熱が室内に侵入するのを防ぎ、室温上昇を抑えます。

参考記事:簡易牛舎 内張り遮光ネットで夏は涼しく、冬は暖かく(丸二物産 パイプハウス)

畜舎の屋根に散水スプリンクラーを設置する

引用画像:牛舎を冷やす工夫事例1(北海道釧路総合振興局)

畜舎屋根の上にスプリンクラーを設置することで、屋根の熱を冷却し、日射による輻射熱の影響を抑える効果が期待できます。スプリンクラー とは、ノズルから水を散布する「自動散水装置」のこと。屋根にスプリンクラーを取り付ける際には、散水チューブを屋根にはわせるように設置していきます。

スプリンクラーから出る水の量は、屋根の軒からポタポタと水が垂れる程度でOK。屋根にスプリンクラーを設置することで屋根の熱が気化され、輻射熱の影響を和らげます。

参考記事:牛舎を冷やす工夫事例1(北海道釧路総合振興局)

畜舎の屋根に、遮熱シートを施工する

畜舎の屋根は直接日射の影響を受けやすい「折板屋根」が多く、夏は屋根の温度が上昇してしまいがち。屋根の温度が上昇すると、こもった熱が室内に侵入し、室温上昇の原因になる可能性大!畜舎内の温度上昇を防ぐには、日射による輻射熱を反射する「遮熱シート」を屋根に施工する方法がおすすめ。

遮熱シートを屋根に施工することで、日射による輻射熱を反射し、作業員や家畜動物の暑さ、熱中症を防ぐ効果が期待できます。

屋根に施工する場合は、屋根の上以外にも「屋根下」に施工するという方法も。

屋根下に遮熱シートを施工すると、熱を室内側に反射させる効果がアップし、冬の寒さ対策にも役立ちます。もちろん、日射による屋根の熱が室内に入るのを抑えるので、暑さ対策にも効果的ですよ。

家畜農家で遮熱対策をする際の注意点

家畜農家で遮熱対策をする場合、施工内容によっては国から補助金が出るケースも。その他にも、遮熱対策をする際には気をつけておくべきポイントがあるので、のちのち後悔する前に必ずチェックを!

本項目では、家畜農家で遮熱対策をする場合の「注意点」について、具体的に紹介します。

  • 利用できる補助金がないか調べておく
  • 「家畜」が快適に過ごせる温度を意識して温度調節する

利用できる補助金がないか調べておく

畜舎の遮熱対策で「遮熱シート」の設置を行う場合、国の補助金を利用できる可能性あり。国の補助金制度は、主に以下のページにて随時募集を行っています。

ただし補助金制度は公募時期が決まっているため、予定総額に達した場合は応募が打ち切られてしまうことも……。遮熱対策を行う際には、農林水産省、または独立行政法人畜産産業振興機構のページで公募募集の案内がないか、事前に確認しておくことをおすすめします。

「家畜」が快適に過ごせる温度を意識して温度調節する

家畜動物の健康管理は、ただ何も考えずに「遮熱対策」をすればいいという訳ではありません。上述でも紹介したように、家畜にはそれぞれ快適に過ごせる「適温」があるため、家畜の飼育管理をする際には適温になるように室温を調節することが大切。

厚生労働省の資料「産業動物臨床医学雑誌」によると、家畜動物の主な適温は以下の通りとされています。

  • 乳用牛  4~20℃
  • 肉用牛 10~20℃
  • 豚 5~20℃
  • 採卵鶏 13~25℃
  • 肉用鶏 19~23℃

家畜動物を管理する際には、畜舎内が動物の適温になるよう意識して温度管理をしていくことが大切です。

参考資料:産業動物臨床医学雑誌(厚生労働省)

家畜動物を暑さ、寒さから守るなら、遮熱効果の高いサーモバリアを施工する方法も

家畜動物を暑さ、寒さから守るなら、遮熱効果の高いサーモバリアを使用する方法も。サーモバリアとは、アルミ純度99%以上のアルミ箔を使用した金属製の遮熱シートのこと。遮熱シートは、アルミ純度が高いものほど遮熱効果が高くなります。アルミ純度99%以上のサーモバリアは、輻射熱に高い効果を発揮します。

過去には、牛舎の屋根下にサーモバリアSを施工した施工事例あり。

サーモバリアSとは、エアーキャップに両面アルミ箔を貼った遮熱シートのこと。あらゆる部位に使用が可能で、内反射施工も可能です。

サーモバリアS施工したお客様からは、「夏は畜舎内が涼しくなり、快適になったと思います」という嬉しいお声も。屋根下に遮熱シートを施工することで、輻射熱が室内に侵入するのを防ぎ、夏の暑い時期も快適に過ごせるようになります。

関連記事:牛舎で採用。牛も快適に!!

まとめ

「折板屋根」の多い畜舎は、日射による輻射熱の影響を受けてしまいがち。屋根の温度が上昇すると、畜舎内が暑さを感じるようになり、作業員、家畜動物の健康被害に繋がる恐れも……。

作業員、家畜動物の健康を守るためにも、遮熱対策は欠かせないと言えるでしょう。家畜農家の遮熱対策は、具体的に以下の通り。

  • 畜舎の入り口、屋内に遮光ネットを設置する
  • 畜舎の屋根に散水スプリンクラーを設置する
  • 畜舎の屋根に、遮熱シートを施工する

屋根が「折板屋根」の場合は、シート状の遮熱シートを貼り付ける「スカイ工法」もおすすめ。スカイ工法とは、輻射熱の反射に優れたアルミ箔を使用したスカイシートを取り付ける工法のこと。

スカイ工法スカイ工法には、折板屋根特有の雨漏れを防ぐ効果もあるため、一度の施工で熱対策と雨漏り対策を同時に行えます。上記で紹介した「遮熱対策」を実践して、畜舎内の暑さ対策に役立てていきましょう。

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ライフテック
編集部

自宅や工場の熱問題に取り組む、株式会社ライフテックの編集部が執筆・監修を行いました。

当社は、断熱材だけでは防げない輻射熱を97%カットすることができる遮熱材「サーモバリア」を販売しております。サーモバリアは、住宅や工場などの屋根や壁に使用することで、夏の太陽の輻射熱による建物の温度上昇を抑え、体感温度を下げることができる、自宅や工場の熱問題の解消につながる製品です。

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