木造住宅の寒さ対策をする方法とは？寒さ対策グッズと家全体を寒さから守る方法を紹介

木造住宅は材質や建物の構造上、冬は外からの冷気が侵入しやすく、室温が低下します。さらに木造住宅は気密性の低さから室内の熱が外に逃げやすく、暖房をかけても室内がなかなか暖まらないことから、寒さを感じやすくなります。

冬の寒さを感じやすい木造住宅では、寒さ対策に便利なグッズや、リフォームなどを行うことで寒い時期も暖かく過ごせます。本記事では、木造住宅が寒くなる理由や鉄筋コンクリート住宅との寒さの違いを紹介した上で、具体的な寒さ対策を紹介します。

木造の家が寒くなる理由

木造の家は構造上「隙間風が入りやすい」などの理由から、室内が寒くなります。まずは木造の家が寒くなる理由について、具体的に紹介します。

• 気密性が低く、隙間風が入りやすい
• 床からの冷気が室内に入るため

気密性が低く、隙間風が入りやすい

木造住宅は壁の構造上、隙間風が入りやすく、冬は室内が寒さを感じやすくなります。木造の壁構造は、一般的に柱の両面に壁材を貼り、内部に断熱材の充填を行います。

しかし、この構造だと異素材を組み合わせて一つの壁を作るという方法であることから、隙間を完全にゼロにはできず、冬は壁の隙間から冷気が入りやすくなります。

とくに古い木造住宅となると、建築材や窓サッシの劣化などを理由に隙間ができて冷気が侵入しやすくなり、より寒さを感じるようになります。

床からの冷気が室内に入るため

木造住宅は構造的に壁の隙間があることから、床下からの冷気が室内に侵入し、室温が低下します。冬は、床下の冷気が壁の隙間から上昇して室内の温度を下げるため、寒さを感じやすくなります。

とくに古い木造住宅では、床の木材が老朽化して隙間ができ、冷気が室内に侵入することから、暖房の効きが悪くなります。床からの冷気が壁の中に入ってくるのを防ぐには、床下、壁の隙間を断熱材などで防ぐ必要があります。

蓄熱性能が低い

木造住宅は蓄熱性能、密閉性が低いことから室内の熱が外に逃げやすく、室温が安定しません。木材は蓄熱性能が低い特徴があり、寒い時期は暖房を常に使用して室内を暖める必要があります。

木造住宅の蓄熱性能を高めるには断熱材を壁、屋根などに施工すると熱が外に逃げるのを抑える働きがあり、寒い冬も快適に過ごせるようになります。

鉄筋コンクリート住宅と木造住宅の寒さの違い

鉄筋コンクリート住宅と木造住宅は、構造上の違いから冬の寒さに違いがあります。本項目では、鉄筋コンクリート住宅と木造住宅の寒さの違いについて紹介します。

• コンクリートは気密性が高く、室内の熱を逃がさない
• コンクリートは木よりも断熱性が低く、暖房が暖まりにくい
• コンクリートは蓄熱量が大きく、一日中温度が安定しやすい

鉄筋コンクリートは気密性が高く、室内の熱を逃がさない

鉄筋コンクリート住宅は気密性が高く、室内の熱を逃がさないので、冬も暖かく過ごせます。

鉄筋コンクリート住宅の壁は、コンクリートを流し込んで固めるので壁に隙間がなくなって気密性が高くなるので、木造よりも室内の熱を逃しません。

その一方、木造住宅は壁の気密性が低いことから室内の熱が外に放出され、冬は寒さを感じやすくなります。ただし、コンクリートは気密性が高いことから木造住宅に比べると空気が入れ替わりにくいので、空気を循環させるためにもマメに換気することが大切です。

鉄筋コンクリートは木よりも断熱性が低く、暖房が暖まりにくい

鉄筋コンクリート住宅は木造住宅よりも断熱性が低いので、暖房で室内を暖めるのに時間がかかります。とくにコンクリート打ち放しの住宅は断熱材を入れていないことも多いので、通常の鉄筋コンクリート造の住宅よりも室内を暖めるのに時間がかかる傾向があります。

その一方で、木造住宅は暖房の熱が伝わりやすいのですぐ暖まりやすいですが、気密性の低さから室内の熱が外へ逃げやすく、温度が冷めやすい特徴があります。

鉄筋コンクリート住宅は蓄熱量が大きく、一日中温度が安定しやすい

蓄熱性能が高い鉄筋コンクリート住宅は、昼間の日差しなどで暖められた熱を蓄えておくことができるため、一日中室温が安定します。蓄熱性能が高い鉄筋コンクリート住宅では、昼間の日差しなどで暖められた熱量を夜まで蓄えておくことが可能です。

鉄筋コンクリート住宅は蓄熱性能の高さにより、夜間の気温が下がっても、壁に蓄熱された熱によって一日中暖かく過ごせます。その一方で、木造住宅は蓄熱性能が低く熱を蓄えることができないので、寒い時期は常に暖房を使用する必要があります。

木造住宅で利用できる寒さ対策グッズ（個人）

冬の寒さは、便利な寒さ対策グッズを使用することで、寒い時期も暖かく過ごせます。本項目では、木造住宅で利用できる寒さ対策グッズについて紹介します。

• 窓下に窓下専用ヒーターを設置する
• 隙間テープを窓のサッシ、ドアの隙間に貼る
• 窓に断熱シートを貼り付ける

窓下に窓下専用ヒーターを設置する

サッシの隙間から冷気が入りやすい窓の下に、窓下専用ヒーターを設置することで窓からの冷気を防ぎ、冬も暖かく過ごせます。

窓下専用のヒーターは、工事不要で設置できるので、初期費用面も安心です。さらにコンパクトなサイズで場所も取らないので、狭い部屋での使用にもおすすめです。

窓下用ヒーターは、ホームセンターや通販などで購入できます。おすすめの窓下用ヒーターは、以下の通りです。

• ベルメゾン　「ウィンドーラジエーター」 【5サイズから選べる】 　￥15,510～31,240円 (税込)
  ベルメゾンの窓下専用ヒーター「ウィンドーラジエーター」は、豊富なサイズの中から自宅の窓サイズに合わせて選べる窓下専用ヒーターです。窓下に設置することで冷気を防ぎ、暖房効率をアップさせます。
• ディノス　「窓際ヒーター」　幅120～190cm伸縮式 　￥31,240円 (税込)
  ディノスの窓際ヒーターは、窓際へ設置することで窓から流れ込む冷気をシャットアウトし、お部屋の快適温度を保ちます。

隙間テープを窓のサッシ、ドアの隙間に貼る

隙間テープを窓のサッシ、ドアの隙間に貼ることで、室内外からの熱の出入りを防ぎ、寒い時期も快適に過ごせるようになります。隙間テープとは、窓のサッシやドアの隙間に貼るテープです。

窓のサッシ、ドアの隙間など隙間風が入ってくる部分に貼りつけることで、外からの冷気が侵入するのを防ぎます。さらに室内から熱が逃げるのを防止する働きがあり、暖房の効きが良くなります。

隙間テープはホームセンター、100均、通販などで購入できます。おすすめの隙間テープは、以下の通りです。

• Meicyan 隙間テープ　4x0.03m　￥1,180円 (税込)
  Meicyanの隙間テープは、ドアや窓の隙間に貼ることで室内の空気が外に逃げるのを抑える働きがあります。隙間テープは自粘着タイプなので、保護シールをはがせて、ドアや窓の隙間に貼れば良いので貼り付けも簡単です。
• Denvosi　隙間テープ ドア下部シールテープ　100x5x0.5cm幅　￥1,199円 (税込)
  Denvosiの隙間テープは、ドア下部へ貼ることでドアからの隙間風をストップします。こちらの隙間テープは三重構造で気密性が高く、ドア以外にも窓際へ設置することで窓から流れ込む冷気をシャットアウトし、寒い時期も暖かく過ごせます。

窓に断熱シートを貼り付ける

窓に断熱シートを貼ることで、シートと窓の間に空気の層ができ、室内に冷気が侵入するのを抑えます。断熱シートとは、空気層により熱の伝わりを遅らせるシートのことです。

断熱シートを窓に貼るだけで、冬場の冷気が室内に流入するのを遅らせる働きがあり、室温低下を防ぎます。さらに断熱シートを窓へ貼ることで、室内の熱が外に逃げるのを遅らせる働きがあり、寒い時期も快適に過ごせます。

窓用断熱シートは、ホームセンターや通販などで購入できます。おすすめの窓用断熱シートは、以下の通りです。

• キラックス窓用断熱シート(両面テープ付)　 1,800×900㎜　￥409円 (税込)
  キラックス窓用断熱シート(両面テープ付)は、エアーキャップが3層構造になっており、窓に貼り付けることで気密、断熱性がアップします。同商品は両面テープ取付けですが、フィルム素材で強弱となっているため、剥がす作業も簡単です。
• KTJ 窓断熱シート　90X200cm　￥2,360円 (税込)
  KTJの窓断熱シートは、高い断熱効果で室内の暖房を外に逃がさず、外からの冷気の侵入を抑える効果があります。接着剤不要で、水だけで簡単に貼り付けられる上に剥がしても糊が残りません。

そのほかの窓からの熱対策は「窓の寒さ対策とは？賃貸、DIYでも可能な窓の寒さ対策をご紹介」で解説しています。合わせてご確認ください。

木造住宅の寒さ対策（業者）

木造住宅の寒さ対策は個人でも対策可能ですが、業者に行ってもらうことでより効果を高めることができます。本項目では、業者に依頼をお願いできる「木造住宅の寒さ対策」について紹介します。

• 内窓を設置して二重窓にする
• 断熱リフォームをする
• 遮熱シートを壁に施工する

内窓を設置して二重窓にする

窓に内窓を設置して二重窓にすることで、窓の間に空気層が生まれ、外からの冷気が室内に侵入するのを遅らせる作用があります。二重窓とは、室内側に取り付ける窓サッシのことです。

窓サッシ自体が二重になることで窓と窓の間に空気層が生まれ、この空気層が断熱材のような役割を果たすことから、断熱性能がアップします。さらに2重窓にリフォームすることで、室内の熱の出入りを抑え、室温が安定するので暖房の効きが良くなり、省エネ効果も期待できます。

断熱リフォームをする

家の外壁、屋根、壁、床などを断熱リフォームすることで、建物の断熱性能がアップし、寒い時期も暖かく過ごせるようになります。断熱リフォームとは、家の外壁、屋根、壁、床などに断熱材、断熱パネルを入れて断熱性能を高める方法です。

断熱材とは空気層によって熱の伝わりを遅らせる材料のことであり、住宅に施工することで室内の熱が外に逃げるのを防ぎ、冬も快適に過ごせます。さらに夏は外から熱が室内へ侵入するのを遅らせる働きがあるので、夏の暑さ対策にも効果的です。

断熱リフォームについては「断熱工事とは？費用の目安や効果・注意点から一緒に行うべき遮熱工事まで紹介」で紹介しています。合わせて読んでみてください。

遮熱シートを壁に施工する

遮熱シートを壁に施工することで、熱を室内側へ反射させる働きがあるので、冬の寒さ対策に役立ちます。遮熱シートとは、輻射熱を反射する金属製のシートのことです。

遮熱シートには熱を反射させる効果があるため、壁の内側に施工をすることで室内の熱が外へ逃げるのを防ぎ、寒い時期も暖かく過ごせます。遮熱シートを壁の内側に施工する際には、柱、間柱の内側に取付ける内反射工法で施工します。

また、壁へ遮熱シートを施工する時には壁の外側、内側に使用可能な「サーモバリアスリム」がおすすめです。

遮熱による寒さ対策については「遮熱による寒さ対策とは？遮熱対策の種類、寒さ対策の方法を紹介」で解説しています。合わせて読んでみてくださ。

寒さ対策で遮熱シートを施工する際には、断熱材と組み合わせるとより効果的

寒さ対策で遮熱シートを施工する時には、伝導熱、対流熱を抑える働きをもつ断熱材と組み合わせるとより効果的です。

熱の伝わり方には、湯たんぽ型の伝導熱、エアコン型の対流熱、日射、電気ストーブなどの輻射熱があります。

遮熱シートには輻射熱を抑える働きがありますが、伝導熱、対流熱には効果が期待できません。また、断熱材には対流熱、伝導熱の伝わりを遅らせる効果はありますが、輻射熱には効果がありません。

そこで輻射熱を反射する遮熱シートと、伝導熱、対流熱を抑える断熱材とあわせることで、すべての熱を抑える「理想の断熱」を実現します。

まとめ

木造住宅は気密性や蓄熱性能が低く、冬は暖房を使用しても室内の熱が外に逃げやすいことから、なかなか暖まりません。寒さを感じやすい木造住宅では、寒さ対策を行うことで冬も暖かく過ごせるようになります。木造住宅の寒さ対策は、具体的に以下の通りです。

寒さ対策グッズ（個人）

• 窓下にヒーターを設置する
• 隙間テープを窓のサッシ、ドアの隙間に貼る
• 窓に断熱シートを貼り付ける

木造住宅の寒さ対策（業者）

• 内窓を設置して二重窓にする
• 断熱リフォームをする
• 遮熱シートを壁に施工する

遮熱シートを壁に施工する時には、壁の外、内側両方で使用可能な「サーモバリアスリム」、二重のエアーキャップと両面アルミ箔により冬の暖房から発生する輻射熱を跳ね返す作用のある「サーモバリアW」がおすすめです。

壁以外にも屋根、床など住宅への遮熱シート施工を検討している方は、施工箇所を選ぶだけで最適な商品選定を行う「商品選定ナビ」もぜひご活用くださいませ。サーモバリア商品の利用を検討されている方は無料でカットサンプル、カタログをお送りさせて頂きますので、お気軽にお申し込みくださいませ。